マンション管理費の滞納分の請求

こんな時弁護士にご相談ください。

  • マンションの区分所有者の一人が、何か月分も管理費、修繕積立金を滞納しているので、滞納金額を支払ってもらいたい。
  • 何か月も管理費等を滞納している区分所有者に、出て行ってもらいたい。

債権回収の方法

区分所有者のうちの誰かが、管理費および修繕積立金(これらをあわせて「管理費等」といいます)を滞納している場合には、マンション管理組合などは、その区分所有者に対して管理費等の支払いを求めることが通常ですが、その方法としていくつかの方法が考えられます。
まずは、管理組合などからの通知書により、支払いを求めることになるかと思いますが、それでも支払いがなされない場合には、法的措置も検討する必要が生じます。
法的措置としては、支払い督促や少額訴訟、民事調停の申し立てのほか、民事訴訟の提起などが考えられます。
上記のいずれかの法的措置により、判決等の債務名義を取得したにもかかわらず、なお債務者(滞納者)が管理費等を支払ってこない場合には、債務者名義の財産に対して強制執行(差し押さえや競売など)を行うことにより管理費等を回収できる場合もあります。

管理費等の時効消滅

管理費等については、判例は民法169条の定期給付債権に該当するとしているため、5年間で時効消滅する債権とされています。

そのため、長期間にわたって区分所有者が管理費等を滞納している場合には、上記の5年の消滅時効が成立し得るか否かをまずは検討することが重要です。

例えば、判決で既に過去の滞納管理費等について勝訴判決を得られれば、判決時から10年に消滅時効の満了時期が伸長されます。また、5年よりも前の管理費であっても、債務者が弁済計画書を提出していたりする場合には、時効の中断事由となるため消滅時効が到来していない場合もあり得ます。


区分所有法第7条に基づく先取特権


区分所有法7条は管理費および修繕積立金(以下これらをあわせて「管理費等」といいます)は共益費用の先取り特権とみなされ、この先取特権を管理費等を滞納している区分所有者(債務者)の区分所有権およびその者の区分所有建物内の動産に先取り特権を行使できる旨を規定しております。
この規定により、管理費等をある区分所有者が滞納している場合、管理組合などは、滞納をしている区分所有者の区分所有建物について競売の申し立てを裁判所に行ったり、当該建物内に何らかの価値のある動産がある場合には、その動産を競売にかけることにより滞納している管理費等を優先的に回収できる場合があります。
通常は競売の申し立てをするためには、勝訴判決などの債務名義を取得してからでないと競売の申し立てなどの強制執行はできませんが、区分所有法7条による先取特権に関しては勝訴判決などの債務名義を取得しなくとも競売の申し立てが可能です(もっとも滞納管理費等があることの証明資料は必要です)。
もっとも、上記の先取特権は、債務者の所有する区分所有建物に抵当権を付けている金融機関などの抵当権者や、租税債権を有する国や地方公共団体の債権に対しては優先的に回収はできないため、競売を申し立てても配当が得られないとして、裁判所により競売手続きの無剰余取り消しをされてしまうことも多いと考えられます。
しかしながら、個別の事情に応じては、区分所有法7条の先取り特権の制度を利用することにより、滞納している管理費等を回収できる場合もあり得ます。

区分所有法59条に基づく競売請求

区分所有者が、長期にわたって管理費を滞納している場合に取り得る最終的な手段として、区分所有法59条は滞納者が所有する専有部分に関し、競売の請求ができる旨を規定しています(以下この規定による競売を「59条競売」といいます)。
59条競売による競売請求を行うには、特定の区分所有者が他の区分所有者の共同の利益を著しく侵害し、他の方法によってはこの障害の除去ができない場合に該当することが必要です。
通常の競売では、抵当権者などの優先債権者に競売代金を支払ってもまだ余剰が出る場合、つまり競売の申立をした債権者に配当が回ってくる場合でなければ行っても意味がないという理由で競売手続が強制的に取り消されてしまいます。これを無剰余取消しといいます。
しかしながら、59条競売であれば、仮に競売を申し立てた管理組合に配当が回ってこないとしても、競売手続が続行されます。そのため、専有部分の所有者が滞納者から第三者に移ることが期待できます。
このようにして新たに専有部分の所有者となった者は、旧所有者が滞納していた管理費等の支払義務も承継するため(区分所有法8条)、管理組合は新所有者に管理費等を請求していくことになります。

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